2011年6月2日木曜日

農産物が土中のセシウムを吸収する比率

先に、「新茶では土中のセシウムを根から吸収して新芽にたまった(濃縮された)。また、天然キノコでもセシウム濃縮効果が認められた」と書きました。

最近公表されたデータで、農作物が土中のセシウムを根から吸収する比率が報告されましたので、参考までに幾つか紹介します。
公表されたのは、野菜や果樹が土壌からセシウムを吸い込み、収穫時に実などの食べられる部分に移る比率(移行係数)です。簡単に言うと、この係数の値が高いほど成長段階で土中からセシウムを多く吸収し、収穫の際、作物の汚染度が高くなる可能性があります。
作物名      移行係数(平均値)
レタス       0.0067
トマト       0.00070
ソラマメ      0.012
ネギ        0.0023
ジャガイモ     0.011
サツマイモ     0.033
リンゴ       0.0010
ブドウ       0.00079

このデータを見ると、マメ類やイモ類では値が高く、葉物野菜や果物などは低い傾向があることがわかります。
ちなみに、土壌がセシウムに汚染された度合いに、この移行係数を掛け合わせれば、収穫の際の作物の汚染の可能性がわかります。例えば、土壌調査でセシウムが土1kgあたり5000Bq検出された畑では、収穫時のレタスは平均して1kgあたり5000×0.0067=33.5Bq吸い込んでいる可能性がある計算になります。
公表された係数は、海外の畑の地表10~20センチを対象としたデータのうち、日本に気候が近い国のものを集めたみたいです。日本の畑にそのまま当てはまるとは限りませんし、作物によっては係数のバラツキが大きいので判断に迷うものもありますが、一応の参考にはなりそうです。なお、詳細なデータは下記に示しますので興味のある方は参照してください。

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