食物繊維の一つであるペクチンが、放射性物質の体外への排出に有効であると先に述べました。少し補足すると、食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、ペクチンは水溶性食物繊維です(水に溶けやすい性質で、便を軟らかくする働きがあります)。
では、他の水溶性食物繊維でも効果あるのでは?と思いつきました。そこで、ちょっと調べてみたら、水溶性食物繊維の一つであるアルギン酸も放射性物質の体外への排出に有効である事がわかりました。消化管内に取り込まれた放射性ストロンチウムの体外排出に関する研究が多数行われ、人への実験でも顕著な効果が認められています。例えば、アルギン酸ナトリウムを摂取してからストロンチウムを飲むと、体内残留率が1/8に激減すると報告されています。これまでの所、放射性ストロンチウムの検出は報道されていないみたいですが、これは体内に入ると骨にたまりやすいというやっかいな性質があります。しかし、アルギン酸を日常的に摂取しておくことで、ストロンチウムの体内取り込みを低減させられる可能性がありますので、予防策としてお勧めできます。セシウムの除去率ははっきりしませんでしたが、効果はあると思います。
アルギン酸は、わかめなどのヌルヌルした粘り成分で、これがペクチンと同様に、セシウム等のイオン性物質を餅のように絡め取って体外へ排出しやすい状態にしてくれるのだと思います。わかめ以外に、昆布やひじきなどに多く含まれています。
膨大な健康情報が氾濫している昨今、信頼性の高い情報を得ることは大変難しくなっています。そこで、科学者の視点から、心身の健康について正確で役に立つ情報を、(専門用語の多用を避けて)できるだけわかりやすく伝えてみます。「内容は高く、表現は優しく」がモットーです。リンクは自由ですが、一言お知らせくだされば嬉しく思います。
2011年7月7日木曜日
2011年7月5日火曜日
日常的にできる放射線対策: 体外への排出
食品関係で、日常的にできる放射線対策を改めて考えてみると、主に4つの方法が挙げられます。
1.放射性物質の体内への取り込みを減らす
2.放射性物質の体外への排出を促進する
3.放射性物質が細胞内に蓄積するのを防ぐ
4.放射性物質の発する放射線の影響を減らす
先に紹介した食品調理の工夫は、1番の方法「取り込みを減らす」に相当します。最初に紹介したカリウムの摂取は3番の方法に相当します。今回は、2番の方法「排出を促進する」を紹介します。腸は放射線に対して特に敏感ですから、取り込んだ放射性物質は、なるべく早く腸から排出したいところです。
体外への排出を促進するのに有効な化学物質は食物繊維です。先日、NHK朝の特番でも報道されていたので見た人もいるでしょう。番組中では、食物繊維の一つであるペクチンが有効であると指摘されていました。ペクチンというのは、リンゴなどを使ってジャムを作る時に生じるネバネバした成分です。これが餅の様に、セシウムなどのイオン性物質を絡め取って体外へ排出しやすい状態にしてくれるのだと思います。
実際に、チェルノブイリ後、リンゴ5個分の粉末状ペクチンを毎日摂取した子供たちは、摂取しなかった子供たちに比べて、放射性物質の体外への排出が大幅に促進された(13.9%→63.6%)と番組中では報道されていました。
粉末状ペクチンはすでに一部で買い占めが起こっているみたいですが、わざわざこのようなサプリメントを購入する必要はないと思います。リンゴを皮ごとすり下ろしたり、リンゴジャムを作るのもいいでしょう。ちなみに、リンゴは甘いものより、紅玉のような酸っぱいものの方がペクチンは多く含まれるみたいです。
また、リンゴ以外の果物(ミカン、レモン、イチゴなど)、アズキなどの豆類、オクラなどの野菜類にもペクチンは多く含まれています。
リンゴと比べて具体的にどの程度のペクチン量が含まれるかは、要望があれば、別の機会にでもお知らしようかと思います。
(参考)ジャムの作り方と雑学
http://www16.ocn.ne.jp/~chelsea/jamtukurikata.html
1.放射性物質の体内への取り込みを減らす
2.放射性物質の体外への排出を促進する
3.放射性物質が細胞内に蓄積するのを防ぐ
4.放射性物質の発する放射線の影響を減らす
先に紹介した食品調理の工夫は、1番の方法「取り込みを減らす」に相当します。最初に紹介したカリウムの摂取は3番の方法に相当します。今回は、2番の方法「排出を促進する」を紹介します。腸は放射線に対して特に敏感ですから、取り込んだ放射性物質は、なるべく早く腸から排出したいところです。
体外への排出を促進するのに有効な化学物質は食物繊維です。先日、NHK朝の特番でも報道されていたので見た人もいるでしょう。番組中では、食物繊維の一つであるペクチンが有効であると指摘されていました。ペクチンというのは、リンゴなどを使ってジャムを作る時に生じるネバネバした成分です。これが餅の様に、セシウムなどのイオン性物質を絡め取って体外へ排出しやすい状態にしてくれるのだと思います。
実際に、チェルノブイリ後、リンゴ5個分の粉末状ペクチンを毎日摂取した子供たちは、摂取しなかった子供たちに比べて、放射性物質の体外への排出が大幅に促進された(13.9%→63.6%)と番組中では報道されていました。
粉末状ペクチンはすでに一部で買い占めが起こっているみたいですが、わざわざこのようなサプリメントを購入する必要はないと思います。リンゴを皮ごとすり下ろしたり、リンゴジャムを作るのもいいでしょう。ちなみに、リンゴは甘いものより、紅玉のような酸っぱいものの方がペクチンは多く含まれるみたいです。
また、リンゴ以外の果物(ミカン、レモン、イチゴなど)、アズキなどの豆類、オクラなどの野菜類にもペクチンは多く含まれています。
リンゴと比べて具体的にどの程度のペクチン量が含まれるかは、要望があれば、別の機会にでもお知らしようかと思います。
(参考)ジャムの作り方と雑学
http://www16.ocn.ne.jp/~chelsea/jamtukurikata.html
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