2011年7月26日火曜日

カリウムの豆知識2: 重要な健康効果

相変わらず、マスコミは「基準値の●倍、○○ベクレルの放射性セシウムが検出!」と言って大騒ぎしていますが、このような数字に踊らされるのではなく、前回述べたように、どれだけ食べたら何mSVになるのか?と考える事と、日常生活でできる対策を続ける事が大切だと思います。繰り返しになりますが、基本は以下の4つです。

1.放射性物質の体内への取り込みを減らす
2.放射性物質の体外への排出を促進する
3.放射性物質が細胞内に蓄積するのを防ぐ
4.放射性物質の発する放射線の影響を減らす

以前に述べたように、「3.放射性物質が細胞内に蓄積するのを防ぐ」のに効果があるのがカリウムですが、この効果以外にも重要な健康効果がたくさんあります。
特に重要なのが、カリウムには細胞内のナトリウム(塩分)を排出する働きがある事です。ナトリウムは高血圧の原因として広く知られていますが、近年の研究によると、ある種のがんの原因にもなっていると指摘されています。したがって、カリウムを摂取する事で、高血圧やがんの原因であるナトリウムの排出が促され、高血圧やがんを予防・改善する効果が期待できます。
さらに、カリウムは筋肉のエネルギー代謝を助け、心臓の筋肉の正常な活動にも深く関わっています。よって、カリウムが不足すると心筋梗塞など様々な異常も起こりやすくなってきます。

以上のように、セシウム対策としてだけでなく、カリウムは健康の維持にきわめて重要な役割を持っていますので、カリウムを含む食品の摂取はとても大切です。特に夏は熱中症対策として塩分(ナトリウム)の摂取が増えがちなので、カリウムの積極的な摂取はお勧めです。
カリウムは1日2.5~3gの摂取が推奨されており、野菜、果物、豆類、芋類、海草などに豊富に含まれています。例えば、りんご、バナナ、ジャガイモ、大豆、小豆など。

(参考)がん予防・再発防止のための栄養学
http://www.npo-gancon.jp/rigi/eiyogaku.html