2011年6月14日火曜日

最新の土壌汚染地図: 表示単位に注意!

セシウムの化学的対策を書くつもりでしたが、今日、気になる新聞発表がありましたので予定を変更して、これを紹介します。
記事によると、筑波大が、福島県と首都圏東部の土壌汚染地図を独自に作製した結果、原発から200キロ近く離れた茨城県や千葉県の一部の土壌から、通常の400倍にあたる放射性セシウム(40000Bq/m2)が検出されたらしいです。
4万ベクレルは、国が定める「放射線管理区域」(=放射線被ばくの恐れがあり、適正な被ばく管理が必要とされる区域。原子炉建屋や病院のCT検査室など。)の基準と同程度で、健康には影響がないレベルと発表されていますが、これが本当か考えてみます。
まず、”通常の400倍で4万ベクレル”と聞いて、高い値だと感じる人が多いのではないでしょうか。これまでは、多くが数百~千ベクレル検出と報道されてきたので、私も初めは高いと感じました。しかし、よく見てみると単位が違いました。これまでの報道は土1キログラムあたりの放射能(Bq/kg)で、今回は土壌1平方メートルあたりの放射能(Bq/m2)です。つまり、前者は重さで、後者は面積あたりの単位です。
よって、このままでは比較ができないので、Bq/m2をBq/kgに変換する必要があります。土壌面積を重さに変換するのは簡単ではないですが、調べてみたら、100Bq/m2が約1Bq/kgに相当するらしいです。
つまり今回の4万Bq/m2は、約4百Bq/kgに相当する事になります。この値ならこれまでの報道でもよく見る値(ちなみにコメの作付け制限値は5千Bq/kg)で、仮にイモ類などの農産物を作っても平均で4Bq吸い込む可能性がある程度で、ほとんど問題ないレベルである事がわかります。

しかし、相変わらず”通常の○○倍!●●ベクレル検出”と不安を煽るような報道を続けているのは大問題です。誤解や風評被害を生む元なので早急に改善してもらいたいと思います。

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