2011年7月19日火曜日

マスコミが大騒ぎの牛肉は安全か危険か?

最近、全国各地で基準値を超えた放射性セシウム含有の牛肉が見つかったといってマスコミが大騒ぎしていますね。例によって、「基準の●倍を超える○○ベクレル検出!!」といって、不安を煽るような報道ばかりしているため、このままでは国産牛肉に大きなダメージが生じるのではないかと危惧しています。

神奈川のお茶の時のように、今回の牛肉中の放射線量がどの程度のものが科学的に検証してみます。最大で牛肉一キログラム当たり3400ベクレル(3400Bq/kg)検出されたということですので、これをお茶の時と同様に、ベクレルからシーベルトへ変換します。この肉一キロを人体に取り込んだ時の影響は、3400Bq×0.000013=0.044mSVとなります。


仮に、この肉一キロを一ヶ月間(30日)毎日食べると、0.044mSV*30日=1.3mSVとなり、平時の年間許容量1mSVを超えてしまいますので単純に安全とは言い切れなくなります。しかしながら、一キロを1~2回食べたくらいでは0.044~0.088mSV程度にしかなりませんので、すでに食べてしまった場合でも危険はないと言えます。念のため、子供は食べるのを控えた方がよいですが、大人は長期間にわたってドカ食いしない限り、全く問題ないと思います。


ところで、最近はやたらと”内部被曝が(微量でも)怖い”、という報道が目立ちます。確かに外部被曝より内部被曝の方が怖いのは事実ですが、これも被曝量によって危険度は全く違ってきます。マスコミはあまり取り上げていないようですが、実は私たちは原発事故の前から、普段食べている食品などから常に放射性物質を取り込んで内部被曝しています。
特に、人体にとって必須のカリウムは少量の放射性カリウムを含んでいます。したがって、これが体内で放射線を出すため、成人は年間で約0.3mSV内部被曝していると言われています。もし、この程度の量の内部被曝でも怖いというのであれば、カリウムを豊富に含む健康食品(りんご、豆類、イモ類など)も食べられなくなってしまいます。その結果生じるカリウム不足の方が、健康にとって恐ろしい結果になります。


結論としては、内部被曝の怖さも被曝量によって変わってくるため、どの程度の量を被曝したのか計算すればむやみやたらに不安になることはありません。それでも心配なら、先に紹介したような、放射性物質の体外への排出を促す工夫を色々実践すればよいでしょう。ちなみに、今回マスコミが基準値を超えたと大騒ぎしている牛肉も、一キログラムを7日間食べ続けてやっと、普段、体内の放射性カリウムから被曝している量と同じくらいになります(0.044mSV*7日=0.31mSV)