2011年5月27日金曜日

福島の放射線許容量は安全か危険か?(補足)

先の福島汚染マップで気になったこと、つまり、この測定値が地表1mの値であることと、関東の一部に意外と放射線量の高い場所があることについてコメントします。

これまでの情報によると、放射線量は測定する高さで変わってくる事がわかってきました。特に地表に近くなるほど値が高くなる傾向があり、地面の近くでは地表数mの値より2~3倍も高くなる事があるみたいです。ということは、地面の近くで遊んだりする時間が多い子供の方が、大人より被曝量が多くなって危険ではないかと思えてきます。

拡大マップを見ると、関東の一部(千葉の柏、松戸、流山、三郷周辺)で割と放射線量の高い場所があることがわかります。

 これら4都市周辺では、福島のいわき、白河、会津若松周辺と同程度、つまり3.5~4mSV/年くらいの値です。これも地表1mのデータなので、地面の近くでは7~10mSVくらいになっている可能性はあります。大人でも単純に安全とは言い切れない値なので、福島の子供と同様の注意が必要ではないかと思います。


2011年5月23日月曜日

カリウムの基礎と豆知識

少々重い話題が続きましたので、この辺でブレイクタイムとして、先の投稿で取り上げたカリウムの基礎と豆知識を紹介します。
カリウムとセシウムの化学的性質が似ている(両者は同族元素)と書きましたが、もう少し具体的に言うと、どちらもプラスイオンになりやすいのです。

すべての元素は、中心に中性子と陽子(+)があり、その周りを同じ数の電子(-)が回っていて電気的には中性です。イメージしにくいかもしれませんので、陸上競技場のトラックに例えてみます。元素というのは、競技場中心の周りの幾つかのコーナーを、各コーナーごとに決まった数のランナー(最大8まで)が走っているようなものです。
カリウムは第4コーナーまでのトラックで、1~3コーナーまではランナーが詰まっているものの、最も外側の4コーナーはランナーが1人だけ走っているようなものです。この状態というのは、ランナー(電子)がコースから外れて消えてしまいやすいのです。すると、電気的に中性だったところで電子(-)が1個消えてしまうので、プラスイオンになりやすいというわけです。
セシウムは第6コーナーまでのトラックで、1~5コーナーまではランナーが詰まっているものの、最も外側の6コーナーはランナーが1人だけ走っているようなものなので、同じようなことが起きてプラスイオンになりやすいです。

ちなみに、カリウムというのはKaliumというドイツ語で、英語ではPotassium(ポタシューム)という全く異なる単語なので、英語を勉強されている方はお気をつけください。日本の化学用語はドイツから輸入されたため、そのままドイツ語読みしているものが多いです。

あと、ナトリウムもカリウムと同族元素なのでプラスイオンになりやすく、身近にあふれているので、生活上で役に立つ豆知識が多いです。