2011年5月3日火曜日

放射線の健康への影響: 発がんのしくみ

福島で、20mSV/年という基準が妥当かどうか問題になっていますね。前にも書いたとおり5~100mSV/年は、発がん危険性について詳細不明なので、この20mSVという値の妥当性については何ともいえません。実際に、専門家の間でも意見が割れているので、今はあまり触れないでおきます。ただ、子供の方が放射線の影響を強く受ける事は確かなので、大人と同じ基準にすることは好ましくないと思いますが。。。
ところで、今回のタイトル、放射線が体にがんを起こす仕組みについてですが、放射線が遺伝子DNAを攻撃して傷つけることが原因だと聞いたことがあるかもしれません(私も本格的に化学を学ぶ前は漠然とそのように思い込んでいました)。でも、厳密に言うと少し違います。
放射線を浴びると、体内の水(人の体は約60%が水分)が分解されて活性酸素が生じ、この活性酸素がDNAを攻撃して傷つけるということが化学的研究で証明されています。つまり、攻撃の主役は活性酸素で、放射線は脇役なのです。(活性酸素は老化の原因にもなっていてマスコミにもよく取り上げられるので、聞いたことある人も多いと思います。)

さらに近年の研究結果より、タバコなどに含まれる発がん物質も体内で活性酸素を発生させて、これがDNAを攻撃して傷つけるということがわかってきました。
つまり、放射線もタバコも発がんのしくみは基本的に同じなのです。

放射線が活性酸素を作る様子、これがDNAを攻撃する様子、少量の放射線では問題なくて大量だとなぜ危なくなるのか?などは、例え話を交えながら別の機会に取り上げてみようと思っています。

2 件のコメント:

  1. 東京にいる場合・・・
    放射線よりも、タバコのほうが
    ガンになる確率が高いと言っていた方が
    いらっしゃいました(^^;)

    活性酸素が癌の主役・・・

    強いストレス状態にある、その状態が続いている時に
    活性酵素が発生すると聞いたことがあります。

    放射線を少々浴びても、くよくよしないで
    免疫力アップが大事なのでしょうかね

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  2. あとで書こうかなと思っていましたが、国立がんセンター情報では、100~200mSVの放射線を浴びるより、継続してタバコを吸うほうが危険性高いみたいです。

    確かに、ストレスも活性酸素を増やすみたいですね。

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