2011年4月27日水曜日

放射線の健康への影響: 発がんとの関係

放射線を浴びた場合に、健康への影響で最も気になるのはがんだと思います。
広島・長崎の被爆者(数万人)の発がん性を長年追跡調査した研究がありますので、この結果をかいつまんで紹介します。
●200mSVの放射線を浴びた場合、
(被爆していない場合に比べて)がんになる危険性が1.1倍に増加した。

例)30~70歳でがんになる可能性は約30%なので、もしこの年齢層で200mSVの放射線を浴びた場合はその可能性が33%になる計算(つまり、3%の上昇)になります。おおざっぱにまとめると、200mSV以上放射線を浴びた場合、がんになる危険性は3%以上増加する、と言えます。

では100mSVでは1.5%増加するのか?と言う疑問は生じますが、年間に100mSVの放射線を浴びると(100mSV/年)、がんになる危険性は0.5%上昇する、というのが医学的な定説みたいです。

放射線被曝については、自然界からの放射線(日本1.5mSV/年、世界平均2.4mSV/年)に加えて、健康診断などでレントゲンやCT検査による放射線を浴びています(医療被曝と呼ばれます)。この医療被曝が日本は平均2.3mSV/年(世界平均0.6mSV/年)あります。つまり、自然被爆と医療被曝を合計すると、多くの人が一般に3~4mSV/年の放射線を浴びている計算になります。これ以外の放射線は1mSV以下にするのが望ましいと言われています。これらの情報を踏まえると、5mSV/年以下であれば放射線を浴びても、がんになる危険性は上昇しないと言えます。以上まとめると、年間に

100mSV以上は危険(発がん性上昇する:100mSV:0.5%、200mSV:3%)
5~100mSVは詳細不明(発がん性:0~0.5%)

5mSV以下は安全(発がん性上昇しない)

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